ヴァニタス
「桜が咲いたらじゃなくて、俺が死ぬまでそばにいて欲しいんだ…。

果南ちゃんが好きだから、果南ちゃんと一緒に生きたい…そう思ってる」

武藤さんが私を見つめた。

「――いいん、ですか…?」

私は武藤さんの目を見ながら言った。

「俺がいいって、言ってるでしょ」

武藤さんは私の目を見ながら言った。

「私、武藤さんと一緒に生きていたいです…」

「俺も、果南ちゃんと一緒に生きたい…」

武藤さんの顔が、私に向かって近づいてきた。

私はそっと、目を閉じた。

唇に感じた温かいぬくもりに、私は武藤さんの背中に両手を回した。
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