ヴァニタス
愛憎劇の結末
肌を照りつける太陽に夏の訪れを感じながら、私と武藤さんは砂浜を歩いていた。

しっかりと繋いでいるお互いの手に、私は本当に武藤さんと結ばれたんだと言うことを実感した。

「後少しで梅雨に入るね」

武藤さんが言った。

「梅雨、ですか?」

聞き返して、私は思い出した。

そうだ。

夏に入る前に梅雨があるんだ。

毎日のように雨が降る季節を思い出したとたん、私の胸は憂うつに包まれた。

雨が続く季節になると、買い物に行くこと自体が面倒なものになる。

そのうえ食べ物の管理にも気をつけないと、食中毒と言う恐ろしい病気になってしまう。

面倒なことはわかっているけど、食中毒には気をつけないと…。
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