ヴァニタス
初めて、男の人から暴力を振るわれた。

つきあってもいない、恋人だと勘違いしている男に躰を傷つけられた。

怖い…。

怖い…。

怖い…。

「――ッ、くっ…」

涙が出てきた。

躰が痛い…。

心が痛い…。

1人暮らしの部屋で、私は涙を流した。


その翌日から、私は南部から逃げることを決意した。

まずは南部に殴られた傷の手当てが先だ。

最初の3日は歩くことはもちろん、起きあがることも痛かった。

傷の手当てをしながら、今住んでいる部屋と携帯電話の解約をした。
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