ヴァニタス
それから数日後。

私は武藤さんに支えられながら、警察署へと向かった。

「果南ちゃん、もう少しだからね?」

傷だらけの私の躰に気を使ってくれているうえに、私に歩調をあわせながら一緒に歩く武藤さんに、
「はい」

私は返事をした。

武藤さんと一緒に警察署へつくと、黒い革張りのソファーに座らされた。

私たちの向かい側のソファーに座ったのは、制服姿の女性とスーツを着た中年男だった。

新人の婦人警官とベテランの刑事と言うところだろうか?

そんなことを思っていたら、
「どう言ったご用件で、こちらへ?」

女性の方に話しかけられた。
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