スイートナイト
「さわらないでよ!」

私は優の手を振り払った。

優は訳がわからないと言う顔をして私を見ていた。

怒りが頂点に達したとは、まさにこのことを言うんだと思った。

「言い訳なんて結構よ!

上司にしつこくされたとかって言ってるけど、本当は優の方から一緒に行こうって言ったんじゃないの!?」

声を荒げて怒鳴る私に、
「違うって!

本当に上司に一緒に行こうって言われて…」

優はなだめようとした。

「自分から行ったなら行ったって、はっきり言えばいい話でしょ!?

勝手に話に出されたうえに、罪を着せられたあなたの上司がかわいそうだわ!」

私はジャケットと名刺を優に向かって投げつけた。
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