スイートナイト
バタンと、玄関のドアが閉まる音がした。

「時間がないから夜に話しましょう、って…?」

私は椅子を蹴り飛ばした。

「ふざけんな、クソヤロー!」

近所迷惑なんてもうどうでもいい。

優と話をすることなんて何にもない。

朝から面倒なことに巻き込まれたから今は仕事を言い訳にして逃げようと言う策略に決まってる。

そんな策略にハマるほど、私は頭の悪い女なんかじゃない!

どうせ夜までに言い訳を考えてくることだろう。

家に帰るまで離婚を回避する方法を考えてくることだろう。

私は服に着替えると、家を飛び出した。
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