スイートナイト
私は巽に抱きしめられていた。

「もう充分だ。

静希は、よく頑張った。

今までよく耐えてきた」

その言葉は、私の胸に深く沁み渡った。

ずっと欲しかったその言葉に、涙があふれた。

「静希」

巽が私を見つめた。

「一緒に暮らそう」

「でも私まだ、離婚…」

「時間がかかっても、俺待ってるから。

静希が離婚するまで、俺いつでも待ってるから。

戻りたくないんだったら、俺と一緒に暮らして欲しい」

巽は私の手を握った。
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