スイートナイト
夢の話だと思っていた。

巽と一緒に暮らせる日がくるなんて、夢のまた夢だと思っていた。

だけど、こんなにも早く叶う時がくるなんて…。

「――いい、の…?」

私は唇を開いて、尋ねた。

もしこれが本当に夢なら、醒めないで欲しい。

夢だったら、まだ見ていたい。

「俺がいいって言ってるんだ。

だから、一緒に暮らそう」

…現実だ。

夢じゃなくて、現実なんだ。

「はい…」

首を縦に振ってうなずいた私を、巽はまた抱きしめた。
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