スイートナイト
「そんな年上の彼女、今すぐ別れさせてやる!

セリナの方がずっと魅力的だってこと教えてあげるから!」

別れさせてやるって…えっ?

私は耳を疑った。

今、この子…別れさせるって言わなかった?

巽は呆れたと言うように息を吐くと、
「ああ、そうですか。

せいぜい頑張ってくださいな」
と、皮肉っぽく言った。

キャバ嬢は巽に背中を見せると、早足でその場を去った。

ヤバい、こっちくる!

私は電柱に身を隠した。

キャバ嬢は電柱にいる私の存在に全く気づいていないと言うように、通り過ぎたのだった。
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