スイートナイト
あんなにも高いヒールを履いてるのに早足で歩くことができるなんて…。

最近の若い子はよくわからない。

私はキャバ嬢の姿が見えなくなったことを確認すると、電柱から出てきた。

「静希」

巽が私の存在に気づいたと言うように名前を呼んだ。

「あ…ごめん、全部聞いちゃってた…」

私は呟くように、巽に謝った。

「悪ィな、あんなとこ見せちまって」

巽は困ったように謝ると、後頭部をかいた。

「ううん、大丈夫だから」

私は返した。
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