スイートナイト
このまま、別れちゃうの…?

巽にもさよならと言えないまま、私は離れて行ってしまうの…?

そんなの嫌…ッ!

私の目から、涙がこぼれ落ちた。

「――たつ…み…」

声を震わせながら巽の名前を呼んだ私に、
「静希は騙されていたんだよ。

年下の、しかもホストに静希は騙されていたんだよ」

優は諭すように言った。

「騙されてなんか、いないわ…!」

泣きながら首を横に振って否定した私に、
「静希…もう、別れるなんて言わないでくれ…」

優が言った。


静希と優の2人を乗せたタクシーが見えなくなって行く。

「邪魔者は排除しなくっちゃね♪」

呟いた後、ニヤリと口角をあげて笑った。
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