スイートナイト
「それで僕らは調べました。

今あなたが住んでいるところをつきとめて、あなたを連れ出した…と言う訳です」

「あの1つ聞いていいですか?」

「はい」

私は雫ちゃんの胸元まである黒髪――たぶん、ウィッグだろうと思うけど――を指差して、
「何で女装なんですか?」

質問を投げた。

「ああ、これはですね…」

答えようとした雫ちゃんに、
「お前、雫に乗り換えようとするんじゃねーぞ?

雫の女装はそこら辺にいるオネエちゃんよりもすっげー色っぽいけど」

バックミラー越しに真鶴さんににらまれた。

「の、乗り換える訳ないじゃないですか!」

確かに、雫ちゃんの女装は女の私まで見とれてしまうほど色っぽいけど。
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