スイートナイト
「雫ちゃん、もしかしてとは思うんだけど…」

私は雫ちゃんに話しかけた。

「セリナ、ですか?」

「えっ、何で?」

どうして雫ちゃんに私の言いたいことがわかったんだろう?

「『Cinderella』のキャバ嬢、セリナは巽くんのことをかなり気に入って、その日の売上の大半を彼に貢いでいた程でした。

プライベートでも巽くんにストーカーのようにしつこくつきまとっていたと言うことも、他のキャバ嬢たちから聞いています。

おそらく、黒幕――つまり、あなたの旦那さんに密告した人物は彼女でしょう。

巽くんを自分のものにするためにあなたの旦那さんと手を組んだと考えた方がいいかも知れません」

雫ちゃんは言った。

「そんな…!」

なんて、ひどい女なの!?

私は怒鳴りたくなった。
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