スイートナイト
明るい茶色の巻き髪がキレイだったセリナの頭は、黒髪のおかっぱ頭になっていた。

服装も美しいドレスではなく、白い線が2本入ったえんじ色のジャージだった。

一方の優は仕事帰りなのか、スーツ姿だった。

優が私に視線を向けたが、私はその視線を無視するように顔を横に向けた。

「クソアマ!」

「今すぐ死ね!」

「ヤリマン!」

みすぼらしい格好のセリナに向かって、同僚キャバ嬢たちの罵声が容赦なく浴びせられた。

セリナはうつむいて、彼女たちから浴びせられる罵声に耐えていた。

「静かにしなさい」

帝さんの鶴の一声で罵声が治まった。

それから口を開くと、
「今回あなたたちは何をやったのか、わかっていますね?」

セリナと優に問いかけた。
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