スイートナイト
何より、巽くんも私と同じ朝ご飯はパン派と言う共通点があったことが嬉しかった。

「そうそう、私も時間がない時はいつもパンで済ませてる!」

「だよなー、パン焼いてる間に準備もできるしな!」

「そうそう!」

私たちはパンの話で盛りあがった。

「ところで…静希さんは何でお菓子を?」

巽くんが私が持っているかごの中に視線を向けた。

「あっ…」

私は本来の目的を思い出した。

そうだ、私はお菓子を食べながらテレビを見ようと思って…。

「この時間にコンビニにいるってことは…」

「今日は、仕事が休みなの」

巽くんの言葉をさえぎると、私は言った。

…またウソついちゃった。

だけど、彼は私が既婚者だと言うことを知らない。
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