スイートナイト
私の心臓が、またドキドキとうるさく鳴り始める。

「えっ…」

それって、俗に言う“デート”だよね?

「いや、ヒマじゃないならヒマじゃないって答えてくれればいいんだ。

静希さんがダメなら他のヤツを誘って観に行くし」

「行く!」

私は大きな声で、叫ぶように言っていた。

巽くんが他の人を誘って、一緒に観に行って欲しくない。

その他の人が女じゃなくて男と言う可能性もあるけど、それでもヤだった。

巽くんと一緒に行きたい。

何があっても、一緒に行きたい。

「本当?」

巽くんが聞いてきた。

「本当だよ」

私は答える。
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