スイートナイト
電話越しでだけど、巽くんが笑ったのがわかった。

「じゃあ、明日な。

明日の11時に、待ち合わせ場所は…この前俺たちが会ったコンビニでいい?」

「うん、わかった。

楽しみにしてるね」

「じゃあ、また」

ガチャッと電話が切れた瞬間、私はスマートフォンを胸に抱きしめた。

久しぶりのデート…じゃないかも知れないけど、心臓がドキドキしててうるさい。

「さて、服を選ばなくっちゃ」

私は寝室の方に足を向かわせた。

ミュージカルももちろん楽しみだけど、巽くんに会えることの方がずっと楽しみだった。
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