スイートナイト
「――えっ…?」

私にほれたかも知れないって…それって、
「年下のバカが何を言っているんだってことは、俺が1番わかってる。

でも…でも俺は、静希が好きなんだ」

好き…私の予想は、間違っていなかった。

「で、でも…私、巽くんにウソをついた。

名前とか、結婚してることとか、全部巽くんにウソついた」

「そんなんで、俺が幻滅すると思ってんの!?」

怒ったような巽くんの声に、私は口を閉じた。

「ウソくらい、誰だってつくに決まってんだろ。

逆に見てみてーよ、1度もウソついたことがねーって言うヤツ。

まあ、そう言ってる時点でウソついたのも同然だけどな」

電話越しだったけど、巽くんの得意気な顔をしたのがわかった。
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