スイートナイト
「――静希…」

巽くんの声に、私の傷ついた心が修復されて行くのを感じた。

私が――女としての心が、治癒されて行くのを感じた。

「――巽、くん…」

私は、巽くんの名前を呼んだ。

「今すぐ、静希に会いたい」

「私も、あなたに会いたい」

「静希のこと抱きたい」

私も今すぐ巽くんに会って、巽くんに抱かれたい。

「今夜、会いたい…」

そう言った巽くんに、
「もちろん、会いに行くわ」

私は首を縦に振ってうなずいた。

――今夜、私たちは会う約束をした。
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