スイートナイト
「俺、そんな趣味ないよ?

ボーイズバーが行きつけだって言ってるけど」

「えっ…ああ、うん…」

巽の勘違いに、私は不謹慎だけどホッと胸をなで下ろした。

「勉強のために通ってるんだ。

そこの店主は男2人なんだけど」

「うん」

まあ、ボーイズバーだから店主も男だよね。

「実は…“伝説の2人”って呼ばれてるの」

そう言った巽に、
「ええっ!?」

私は驚きのあまり、大きな声を出してしまった。

「声でけーにも程があるぞ」

巽は慌てたようにキョロキョロと首を動かして周りを見回した。
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