オオカミとライオンに挟まれて
「あ、…初めまして」
ニコリと笑い返すとクスリと笑いながら手を差し出した。
「はい、初めまして。俺は雅 レオね。よろしく」
出された手におずおずと自分の手を乗せると優しく握ってくれた。
胸がドキドキする…。
なんて言うのかな…憧れのアイドルと握手できた、そんな感じかな。
雅君は分からない事があったら聞いて、と言ってくれた。
凄く優しいし、この容姿。
絶対、この学校の王子ね!
一人でうんうんと納得する。
チラリと雅君とは逆隣りの席を見る。
けど、そこは誰も座っていなかった。
なあんだ、詰まんないの。と、思いつつボンヤリと席を見詰めていた。