オオカミとライオンに挟まれて
「…気になる?」
またも綺麗な声が聞こえてビクリと肩を揺らす。
「う、うん」
「そっちっ側はサボり君だよ」
サボり君?
私が首を傾げるとクスクス笑いながら雅君は説明してくれた。
1、とにかくサボる
2、不良
3、見れたらラッキー
……らしい。
見れたらラッキーなくらい、サボってて見付けれないらしい。
「…ま、ラッキーなんて起こんないけどね。見れても」
「不良…怖い人なの?」
「んー?アハハ、大丈夫だよ。かのんちゃんみたいに普通の大人しい子なら関わらないだろうから」
答えになってないような?
折角のお隣さんなのにお隣にいないのか…。
私は会ったことないのに、それが寂しく思えた。
「…関わらない……と、良いんだけど、ね」
「……え?」
「ううん、なんでも?」
何か聞こえた気がしたけど雅君のキラキラスマイルに消されてしまった。
…そう言えば、雅君…女の子からの視線集めてるな。
良いな〜モテるんだろうな〜。
人生にまだモテ期が来てない私は呑気に羨ましく思っていた。