オオカミとライオンに挟まれて
コンコン、と二度ノックをしてから扉を開ける。
大きな椅子に座った理事長と目が合い、私はニッコリ笑う。
「叔父さんっ!」
叔父さんもフッと笑ってから手に持っていた書類を置いた。
「かのんか。よく来た、そこに座りな」
指差されたソファに座る。
赤い皮でできたフカフカの高級そうなソファに。
叔父はお父さんのお兄さんで、クールな人。
年齢の割に見た目は若くてイケメンなの!
独身なのが不思議なくらい。
「叔父さん、この学校綺麗ね」
「そうか?ありがとう。かのんは…松か」
「クラス?うん、松!」
二丸高校は植物の名前でクラスが別れている。
まだ全部の名前は把握出来てないけど…。
「…ほー…アイツ等と一緒か」
「アイツ等?」
「いや…直ぐに分かる。何かあったらいつでも言えよ?かのん」
「ん、分かった!ありがとっ!」
それから少し世間話をしてから、
お昼を食べてない事に気づいた私は慌てて理事長室を後にした。