オオカミとライオンに挟まれて


コンコン、と二度ノックをしてから扉を開ける。

大きな椅子に座った理事長と目が合い、私はニッコリ笑う。


「叔父さんっ!」


叔父さんもフッと笑ってから手に持っていた書類を置いた。


「かのんか。よく来た、そこに座りな」


指差されたソファに座る。
赤い皮でできたフカフカの高級そうなソファに。



叔父はお父さんのお兄さんで、クールな人。

年齢の割に見た目は若くてイケメンなの!
独身なのが不思議なくらい。


「叔父さん、この学校綺麗ね」


「そうか?ありがとう。かのんは…松か」


「クラス?うん、松!」



二丸高校は植物の名前でクラスが別れている。
まだ全部の名前は把握出来てないけど…。


「…ほー…アイツ等と一緒か」


「アイツ等?」


「いや…直ぐに分かる。何かあったらいつでも言えよ?かのん」


「ん、分かった!ありがとっ!」



それから少し世間話をしてから、

お昼を食べてない事に気づいた私は慌てて理事長室を後にした。



< 6 / 11 >

この作品をシェア

pagetop