オオカミとライオンに挟まれて
教室に戻ると雅君の姿はなく、私は鞄から弁当を取り出した。
軽く見回すが、皆外で食べるのか数人しかいない。
誘えそうな娘が居ないので私は仕方なく教室を出た。
テクテク歩いて着いたのは、屋上。
前の学校では使えなかったから、使えたら良いなと思ってドアを開けてみる。
鍵は掛かってなくてすんなり開いた。
コンクリートにフェンスが立つだけのシンプルな屋上。
フェンスまで歩いて座ると、私は空を仰いだ。
「ん〜〜気持ち「誰だ?」
伸びをした手を上げたまま、私はビクリと肩を揺らした。