夜明けのコーヒーには
早すぎる
「お前はそうやって、現実から眼を背けるのか?本当の自分を隠して生きる生き方が、正しいものかよ!自分に素直になれ。本当のお前をぶちまけてやれ!自分の価値観を相手にぶつけろ!」
茫然自失とするスイセイに、ユウヤは怒声を浴びせ続けた。
やがて項垂れて、膝を着くと、低く笑い出した。
「お前の様な奴は、どちらの人間にも嫌われ続ける。自分のセクシュアリティと価値観に、呪われろ!」
そう言い残して、ユウヤはスイセイの元を去っていった。
スイセイの愛した激情が、そのまま自分に降り掛かってきたのであった。
「呪い、か」
スイセイは口に出してみた。
返ってくるのは、暗闇の沈黙のみ。
本当の自分、ね。
何が本当の自分だというのだ?
蝶の夢の話じゃないが、そんなことは自分にすら解らない。
人間には、相反する二つの気持ちが存在するという。
もしそうならば、本当の自分などは存在しないのではないか?
例えば、プリンを食べたいと思っているとする。
すると、プリンを食べたい自分と、食べたくない自分が存在することになるのか?
心情としては、食べたいという感情を楽しむ自分と、その状態を持続させたくて食べたくない自分が同時に存在するのかも知れない。
茫然自失とするスイセイに、ユウヤは怒声を浴びせ続けた。
やがて項垂れて、膝を着くと、低く笑い出した。
「お前の様な奴は、どちらの人間にも嫌われ続ける。自分のセクシュアリティと価値観に、呪われろ!」
そう言い残して、ユウヤはスイセイの元を去っていった。
スイセイの愛した激情が、そのまま自分に降り掛かってきたのであった。
「呪い、か」
スイセイは口に出してみた。
返ってくるのは、暗闇の沈黙のみ。
本当の自分、ね。
何が本当の自分だというのだ?
蝶の夢の話じゃないが、そんなことは自分にすら解らない。
人間には、相反する二つの気持ちが存在するという。
もしそうならば、本当の自分などは存在しないのではないか?
例えば、プリンを食べたいと思っているとする。
すると、プリンを食べたい自分と、食べたくない自分が存在することになるのか?
心情としては、食べたいという感情を楽しむ自分と、その状態を持続させたくて食べたくない自分が同時に存在するのかも知れない。