夜明けのコーヒーには 早すぎる
 ハリウッドで認められた、中国の現役スターのアクション映画を堪能した後、二人は梅酒レモンティーを飲みながら、余韻に浸っていた。
 それから、自然と映画の話や近況の報告をぐだぐだとし始めた。
 「楽しいアクションと、格好良いアクションのどっちが好き?」
 「楽しいアクションは、色々と身の回りの道具を使っていて良いですよね。格好良いアクションは格好良いアクションで、動きにスピード感があって良いです」
 「確かにね。じゃあ、柔術風アクションは?」
 「格好渋いですね」
 「格好渋いか。流行りそうだ。フフッ」
 「言葉だけだと、括弧に渋いって言葉が入れられて、おまけみたいですね」
 「確かにね。話は戻るけど、柔術風アクションは飽くまで柔術風だと聞いたことがあるな。本格的な柔術をやってる人が言ってた」
 「そうなんですか。でも、魅せるアクションなんですから、仕方ないですよね」
 「まあね。ついでに言っておくと、ポニーテールで有名な某ハリウッドスターは、その人の流派も習いにきたらしいよ」
 「へぇー。やっぱり強いんですかね?」
 「さあ?それなりには強いだろうけど、どれぐらいかは判らないな」
 「そうですか」
 「うん。ところで、最近映画館とか行く?」
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