夜明けのコーヒーには
早すぎる
ぼくはビール党ではないので、買っておいたフルーツオレを飲んだ。
熱いシャワーで火照った身体に、冷たいフルーツオレが流れ込む。
このアイスクリーム頭痛になる直前の快感。癖になってしまいそうなのは、ぼくだけではないだろう。
二人ともシャワーを浴びてさっぱりとしたところで、ぼくとヒロコは炬燵机を挟んで向かい合った。
「さて、と。それじゃあ、先の話の続きを聞かせてもらえる?」
ヒロコはビールを呑みきり、焼酎をグラスに注いだ。
「はい」
ぼくは濃いめのカルーアミルクを作り、一口呑んで話し始めた。
「今日のY嬢の行動と、映画への強引な誘い。恐らく、Y嬢はヒロコをT氏の相手として当て付けたのです」
「当て付け?」
「そうです。動機は想像するしかないですが、仮にY嬢とK氏が何らかの借りをT氏に作っていたとしましょう。T氏の性格を考えるに、借りのことを持ち出してY嬢に関係を迫ることもありえるでしょう。」
「彼氏付きなのに?」
「ええ。T氏は下半身と上半身は別の意思で動いているというような暴論を、平気で吐ける人物の様ですから。そして借りがあるという理由からか、K氏も強くは出れないのでしょう。そこで困ったY嬢とK氏は、ヒロコに勝手に白羽の矢を立てたのです」
熱いシャワーで火照った身体に、冷たいフルーツオレが流れ込む。
このアイスクリーム頭痛になる直前の快感。癖になってしまいそうなのは、ぼくだけではないだろう。
二人ともシャワーを浴びてさっぱりとしたところで、ぼくとヒロコは炬燵机を挟んで向かい合った。
「さて、と。それじゃあ、先の話の続きを聞かせてもらえる?」
ヒロコはビールを呑みきり、焼酎をグラスに注いだ。
「はい」
ぼくは濃いめのカルーアミルクを作り、一口呑んで話し始めた。
「今日のY嬢の行動と、映画への強引な誘い。恐らく、Y嬢はヒロコをT氏の相手として当て付けたのです」
「当て付け?」
「そうです。動機は想像するしかないですが、仮にY嬢とK氏が何らかの借りをT氏に作っていたとしましょう。T氏の性格を考えるに、借りのことを持ち出してY嬢に関係を迫ることもありえるでしょう。」
「彼氏付きなのに?」
「ええ。T氏は下半身と上半身は別の意思で動いているというような暴論を、平気で吐ける人物の様ですから。そして借りがあるという理由からか、K氏も強くは出れないのでしょう。そこで困ったY嬢とK氏は、ヒロコに勝手に白羽の矢を立てたのです」