夜明けのコーヒーには 早すぎる
恐らく睡眠薬を飲んでしまった為に、眠ってしまったんだと思います」
 「睡眠薬?」
 リョウコさんは、傾げた首を更に傾げた。
 「どういうこと、カドちゃん。何でその友達とやらは、睡眠薬を飲んだの?というよりも、一体どこから睡眠薬が出てきたの?」
 「勿論、リョウコさんの馬鹿彼氏の睡眠薬です」
 ぼくはさらりと言った。
 「えっ?ちょ、ちょっと待って、カドカワさん。よく話が解んないんだけど、何であの馬鹿の睡眠薬を、あいつの友達が飲むの?」
 「勿論、リョウコさんのビールに睡眠薬が入れられていたからです」
 「益々解んない。何で、わたしのビールに睡眠薬が?何の為に?誰が?」
 「これは飽くまで、ぼくの想像なんですが―」ぼくは日本酒をチビリ。「状況から考えて、睡眠薬を入れたのはその友達とやらで、リョウコさんのビールを飲んで眠ってしまったのは、その為だと思われます。量がどれぐらい入っていたかは判りませんが、酒と一緒に飲むと効果が上がると聞いたことがあります」
 「あの人が、わたしに睡眠薬を―」
 リョウコさんは俯き、沈鬱な様子。
 「ねえ、カドちゃん。その人は何がしたかったのかな?友達の彼女に睡眠薬なんか飲ませて。
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