夜明けのコーヒーには 早すぎる
 もしY嬢が、T氏に頼まれて善意で紹介するのなら、もっとよく知っている人物を紹介する筈だ。
 その逆の、善意でヒロコにT氏をということは論外で、そもそもよく知らないヒロコに対して、そんなことをする義理などY嬢にはない。
 よって、強引にヒロコにT氏を押し付けたのは、体のいい厄介払いだったと考えられる。

 許せない、な。
 ぼくは心の中で呟いた。

 その後、ヒロコはY嬢を着信拒否にした。
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