夜明けのコーヒーには
早すぎる
迎え酒
ぼくの名はカドカワトモミ。生物学上は女に属している。思わせ振りな言葉だが、心が男ってわけでもない。
中性って感覚が一番近いと思う。
そもそも、精神的な性別の境界線は無いに等しい。どんな考え方が女性で、どんな考え方が男性かなんてことは断定出来ないのだから、非常にあやふやなものなのだ。
それでも、大半の人が自分が男女のどちらに属しているか自認している。
不思議なことだが、生物学的に男女差がある以上、社会的に二分する必要があるから仕方ない。
「―モミ。トモミ」
ぼくを呼ぶ声がする。
ぼくは重たい瞼を少し上げて、
「んっ、おはようございます。ヒロコ」
と、ぼくを呼ぶ声の主に言った。
「おはようって、もうお昼だよ」
ヒロコは嘆息した。
「そうでしたか」ぼくは目尻を擦りながら、身体を起こす。「準備をしないといけませんね」
「そうだよ。スイセイとユラの結婚式なんだから」
「昨夜は少々呑み過ぎましたね」
「全くよ!わたしが付き合いでタルボンヌさんと呑んでる間、一人で酔い潰れるんだもの!」
ヒロコは頬を膨らませる。
その仕草が、子供のようで愛らしい。ぼくしか知らないヒロコだ。
中性って感覚が一番近いと思う。
そもそも、精神的な性別の境界線は無いに等しい。どんな考え方が女性で、どんな考え方が男性かなんてことは断定出来ないのだから、非常にあやふやなものなのだ。
それでも、大半の人が自分が男女のどちらに属しているか自認している。
不思議なことだが、生物学的に男女差がある以上、社会的に二分する必要があるから仕方ない。
「―モミ。トモミ」
ぼくを呼ぶ声がする。
ぼくは重たい瞼を少し上げて、
「んっ、おはようございます。ヒロコ」
と、ぼくを呼ぶ声の主に言った。
「おはようって、もうお昼だよ」
ヒロコは嘆息した。
「そうでしたか」ぼくは目尻を擦りながら、身体を起こす。「準備をしないといけませんね」
「そうだよ。スイセイとユラの結婚式なんだから」
「昨夜は少々呑み過ぎましたね」
「全くよ!わたしが付き合いでタルボンヌさんと呑んでる間、一人で酔い潰れるんだもの!」
ヒロコは頬を膨らませる。
その仕草が、子供のようで愛らしい。ぼくしか知らないヒロコだ。