夜明けのコーヒーには 早すぎる
 「すみません。文佳人が美味し過ぎて」
 「ふうん。まあ、高知のお酒だからね」
 「ええ。流石に子供まで千鳥足というだけあります」
 (飽くまで例えですが)
 「ま、いいわ。今夜、たっぷりお詫びしてもらうから」
 「はい。解りました」
 ぼくはヒロコと口付けをした。
 会話の後のお約束というやつだ。

 ぼくとヒロコは、相思相愛となって暫くした後、一緒に住むことにした。
 元々半分同棲していたみたいなものだったが、ヒロコがぼくの家に移ることになった。
 理由は簡単。広くて只だからだ。家を残してくれた両親に感謝。

 「じゃっ、行こっか」
 パンツスーツに身を包んだ、ヒロコが言った。
 「ええ。少し二日酔いなので、迎え酒といきましょう」
 ぼくとヒロコは、破顔一笑し合って、家を出た。
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