夜明けのコーヒーには 早すぎる
 頭が働くようになってきたのを感じると、ぼくは洗面所に行き、顔を洗った。
 「ふー」
 さっぱりして気持ちが良い。
 ぼくはタオルで顔を拭くと、リビングに戻って冷蔵庫を開ける。
 中から紙容器に入ったカフェオレを取り出すと、コップに入れて飲んだ。
 冷たく甘いカフェオレが、身体に染み渡るのが感じられる。
 背筋に寒気が走った。
 冷たいものを一気に飲むと起こるこの現象、恐らく何かの反射なのだろうが、癖になる気持ち良さだ。
 ぼくはまだ寝足りなかったが、こう明るくては眠れない。
 かといって、ロックさんを起こすのは躊躇(ためら)われる。
 昨日のチョップは中々に効いた。
 本でも読もうかと思ったが、眠気が付きまとっている今は集中出来そうもない。
 ぼくは仕方無くテレビを点けた。
 丁度、朝のニュースが始まる。
 ぼくが好きな事件関連のニュースが一通り終わると、芸能スポーツのニュースが始まる。
 「つまらん」
 ぼくはチャンネルを変えた。
 子供向けのアニメがやっている。ヒーローものだ。
 判りやすい悪と、それと戦う無条件で正しい主人公が出ている。
 こういう作品の悪は、一方的に侵略してくる存在だ。それだけに、戦う方も気兼ねなく戦える。
 いいものだな。
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