夜明けのコーヒーには
早すぎる
「はい。しかし、どんな目的があるのでしょうか?」
「そこが問題ですね。」
「もしかして、バツくんの本命は、マルさんの友人だったなんてことは―」
ユリさんは、スプーンを銜(くわ)えながら、眉間に皺を寄せて考え込む。
ぼくはそんなユリさんを眺めながら、白玉を口に放り込んで、「その可能性は、少し低いと思います」と言った。
「どうしてです?」
「理由は簡単です。マルさんの友人が本命ならば、マルさんを介して交友を深めていく、という方法は考えられますが、仮とはいえ付き合うという形を取ってしまえば、マルさんと別れた後でその友人とは付き合い難い筈だからです」
「確かにそうですね。マルさんの友人が本命なら、マルさんとは友人までの筈ですからね」
「となるとですね。考えたくないですが、目的はお金だということも考えられます」
「いえ」ユリさんは即座に否定する。「それは有り得ません。マルさんの家は特別裕福でもないですし、マルさんはアルバイトもしていません。何より、デート代はバツくんが出してくれるそうですから」
「成る程。そうですか。どうやら、違うようですね。それに、よく考えれば、金銭が絡んでいるのなら興味がなくても付き合っている様に振る舞う筈ですからね」
「そこが問題ですね。」
「もしかして、バツくんの本命は、マルさんの友人だったなんてことは―」
ユリさんは、スプーンを銜(くわ)えながら、眉間に皺を寄せて考え込む。
ぼくはそんなユリさんを眺めながら、白玉を口に放り込んで、「その可能性は、少し低いと思います」と言った。
「どうしてです?」
「理由は簡単です。マルさんの友人が本命ならば、マルさんを介して交友を深めていく、という方法は考えられますが、仮とはいえ付き合うという形を取ってしまえば、マルさんと別れた後でその友人とは付き合い難い筈だからです」
「確かにそうですね。マルさんの友人が本命なら、マルさんとは友人までの筈ですからね」
「となるとですね。考えたくないですが、目的はお金だということも考えられます」
「いえ」ユリさんは即座に否定する。「それは有り得ません。マルさんの家は特別裕福でもないですし、マルさんはアルバイトもしていません。何より、デート代はバツくんが出してくれるそうですから」
「成る程。そうですか。どうやら、違うようですね。それに、よく考えれば、金銭が絡んでいるのなら興味がなくても付き合っている様に振る舞う筈ですからね」