放課後ラプソディー
♪第一楽章
side桃
春、わたしが一年間で一番好きな季節がやってきた。
暖かい日差し、綺麗に咲く花々、何かが始まりそうな予感がするワクワクした気持ち。
新しい学年、新しいクラス、新しい友達。
全部が新鮮で、ドキドキして。
今日もポカポカ温かくて、ひなたぼっこしたら気持ちいいだろうな…
「もーもー!聞いてる?」
肩を激しく揺さぶられ、はっと我に返るとすぐ隣に水橋千衣(ちえ)ちゃんこと、ちいちゃんがわたしを見ていた。
「もう!聞いてなかったでしょ?ベースアンプ持ってこなきゃって言ったの!」
いけない!
忘れてたよ!
「ごめんね、あっ、一人で大丈夫だよ!」
「えっ、桃!大丈夫なの?」
心配そうなちいちゃんの声を背中で聞きながら急いで校舎の中に入る。
なんでこんなに急いでいるのかって、理由はひとつ。
今日は新入生のための部活動歓迎会が中庭である。
吹奏楽部に所属する私の出番は一番初め。
今年の三月にやっと16歳になったばかりの、高校二年生、内宮桃。
コンプレックスは人より少し小さい背。
それと、未だに中学生に間違われちゃう幼い顔。
そんな身長148cmのわたしが吹奏楽部で担当しているのは一番大きな体長約190cmのコントラバス。
暖かい日差し、綺麗に咲く花々、何かが始まりそうな予感がするワクワクした気持ち。
新しい学年、新しいクラス、新しい友達。
全部が新鮮で、ドキドキして。
今日もポカポカ温かくて、ひなたぼっこしたら気持ちいいだろうな…
「もーもー!聞いてる?」
肩を激しく揺さぶられ、はっと我に返るとすぐ隣に水橋千衣(ちえ)ちゃんこと、ちいちゃんがわたしを見ていた。
「もう!聞いてなかったでしょ?ベースアンプ持ってこなきゃって言ったの!」
いけない!
忘れてたよ!
「ごめんね、あっ、一人で大丈夫だよ!」
「えっ、桃!大丈夫なの?」
心配そうなちいちゃんの声を背中で聞きながら急いで校舎の中に入る。
なんでこんなに急いでいるのかって、理由はひとつ。
今日は新入生のための部活動歓迎会が中庭である。
吹奏楽部に所属する私の出番は一番初め。
今年の三月にやっと16歳になったばかりの、高校二年生、内宮桃。
コンプレックスは人より少し小さい背。
それと、未だに中学生に間違われちゃう幼い顔。
そんな身長148cmのわたしが吹奏楽部で担当しているのは一番大きな体長約190cmのコントラバス。
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