放課後ラプソディー
最後、桃先輩はどんな顔してたかな。

やっぱり困ったかな。

彼氏いるのにパートの後輩なんかに告白なんてされても迷惑なだけだよな。

それでも、伝えた。

もうやりきった。

今までで一番好きになった、初めての感情を抱いた人。

その人にきちんと告白できてよかった。

ふられてもきっと、後悔はしない恋になる。

きっと俺を、成長させてくれる。

「しゅっ、瞬君!」

階段をバタバタと降りる音がして、上を見上げると、バランスを失って俺の上に落ちてきそうになる小さな女の子。

「危な!」

とっさに抱きしめると、柔くていい香りが鼻くすぐる。

4月、初めてあった時と同じで。

「大丈夫ですか?」

俺の腕の中には桃先輩。

ちびて男にしては華奢とかよく言われる方の俺の腕にもすっぽり収まってしまうくらい小さくて細い、桃先輩。

柔らかい感触に、心臓が壊れそうだ。

あの時もそうだった、一目惚れだったんだ。
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