放課後ラプソディー
悪く言えば無表情。

母さんが

「凛は最近何考えてるのかわからなくなってきちゃった!その点、瞬はわかりやすいよね!」

とか言ってたし。

「瞬?」

「あっ、ごめん。ボーッとしてた。」

「瞬ってたまに自分の世界に入り込むよなー!それで、何部はいるの?」

部活か。

そりゃあやったほうが充実すると思うし、友だちの輪とかも広がるんだろうけど。

「まあ、もうちょっと考えてみるよ。今日はもう帰るな。」

「あっ、おい!瞬!」

まだ勇成が何か言ってたけど俺はかばんを取りに行くために今日案内されたばかりの教室に向かった。

ドアを開けたけど、誰もいない。

みんなそれぞれ入りたい部活に見学に行ってんだろうな…

そういえば、新入生歓迎のイベントもあるらしい。

でも今日はなんだか疲れた。

まだ高校始まって初日なのに。

とりあえず、今日は帰ろう。

誰もいない教室の戸を閉めて、階段を降りる。

「っ…よいしょ!」

頭上から聞こえた小さな声。
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