放課後ラプソディー
なんだ?

顔を上げてみると、踊り場に女の子がいてなにか黒い箱のようなものを運んでいた。

なんだあれ?

わかんねえけど、すっげえ重そう…

つうかひとりであれ、運べるのか?

またそれを持ち上げて、階段を降りようとした瞬間。

「…きゃっ!…」

体制が崩れ、転げ落ちそうになる。

俺は思わず、その体を支えていた。

抱きしめるような形になってしまったその子は、細くて、柔らかくて、まさに女の子って感じ。

「大丈夫?」

「すみません!」

顔を上げた瞬間、何かが俺の上に落ちてきた。

それは稲妻というか、電流というか。

なんかこう、ビビビッときた。

刹那、俺の中に、感情が生まれる。

かわいい…

困ったようにオロオロするその子は、すごく可愛くて。

小さな顔に、大きなクリクリとした目。

透けるように白い肌、ピンク色の唇。

肩より少し長い、色素の薄いサラサラした柔らかそうな髪の毛。

そして何より、俺の心をひいたのは…
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