放課後ラプソディー
「兄ちゃん、何ボーッとしてんの?」

「瞬?ほら、ケーキ!」

入学祝いと称して、いつもより豪華な食卓。

だけど俺の頭の中ではどうやったらもう一度、彼女と会えるのか、そればかり考えていた。

「凛…お前さ、一目惚れってあると思う?」

「…は?何言ってんの?母さん、兄ちゃんが受験のストレスでおかしくなった!」

おい!

それが実の兄にいうセリフか!

こいつに聞いた俺がバカだった!

こんな氷みたいに冷徹で無表情なやつ、きっと初恋もまだなんだろう。

「ただいまー!瞬、入学おめでとう!そして凛、進級おめでとう!」

本当に親子か?と疑いたくなるほどテンションの違う父さんが帰ってきた。

「真生ちゃん、瞬が変なこと言ってるの!」

「何言ったんだ?」

母さんめ!余計なこと言って!

「一目惚れって信じるかって。バカらしいよな。」

凛がケーキのいちごを食べながら鼻で笑う。

ほんっと、可愛げのないやつ!

なんでこんな奴が女子にもてまくるんだ!?

やっぱ顔か!?
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