放課後ラプソディー
「俺はあると思う!だって俺は多分、麻央に一目惚れだからな。」

「ちょっと!真生ちゃん、バカみたいなこと言わないで!」

このキレキレの毒舌は見事に凛に遺伝してる。

そしてちょっと夢見がちな父さんの癖は俺に…

「一目惚れっていうか、運命を感じたんだと思う。名前見た時さ!」

そう、うちの両親の名前はどちらも「春川まお」。

漢字は違うけど、結婚して同姓同名になった。

「まおなんて名前、よくあるでしょ!ほら、早く着替えてきて!片付かないから!」

そうは言いながら、少しだけ顔が緩んでいる母さんは本当は嬉しいんだと思う。

「おい、凛!お前そんなふうに冷たい態度とってたらモテないよ?」

「別に、女子とか面倒だし、モテなくていい。」

まあ、そんなこと言っててもモテるのがこいつのいやみったらしいとこなんだけどな!

「兄ちゃんももう少し現実見なよ。高校入ったんだし、ガキじゃないんだから。」

そんな凛の毒舌を聞き流すほど、俺はまたあの子のことを考えていた。
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