放課後ラプソディー
実はエレキベースは学校のものではなく、自分のものなんだ。

お小遣いとお年玉をためて中学一年の時に買ってもらったもの。

「うーん、多分家にあったかもしれません。父親が大学の時軽音部で、ベースやってたらしいんです。」

えっ!

すごい!

「そうなの!なら良かった!また持ってこれたら持ってきてね!」

これでポップスも安泰。


「それでね、初めてパートに後輩ができたの!」

帰り道、嬉しくてこうちゃんに早速報告。

「…そっか。」

あれ?

なんかごきげん斜め?

変なこと言っちゃったかな?

「こうちゃん?」

するとこうちゃんは顔を背けて、ぼそぼそつぶやいた。

「桃、その顔あんまり他のやつに見せないで。」

その顔?

どの顔!?

て言うか、私そんなに変な顔してた!?

「ごめん、やいただけ…」

やいたって…何を?

わからないからこうちゃんの顔を見る。

するとますます赤くなる顔。

やっぱり今日のこうちゃん、ちょっと変だ。


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