放課後ラプソディー
ちいちゃんが見た方を見ると、瞬君が友達と食堂に入ってくるのが見えた。

私達に気がつくと、ペコリと会釈をしてにっこり笑った。

「うわ、かわいい!こりゃモテるね。」

ちいちゃんが感心したように言う。

瞬君とは出会って間もないけど、優しいなってすごく思う。

私の下手な指導にも一生懸命ついてきてくれるし、何より二人でやるパート練習は楽しくていつも笑ってばかり。

私はこうちゃん以外の男の子とあまり話したことがなかったのになぜか瞬君はすごく話しやすい。

瞬君はどうやら付き添いで、友達の方がパンを買っていったみたい。

また食堂を出るときにペコリと会釈をしてくれた。

「隣にいる子、デカイね。」

パスタを食べながらちいちゃんが言う。

「あの子、多分こうちゃんの後輩だったと思う。」

バスケ部の新入部員にすごくうまい後輩がいるんだーってこうちゃん、すごく嬉しそうに言ってたもん。

身長がこうちゃん並みに高いって言ってたからあの子かな。

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