放課後ラプソディー
だからできれば、この夏に思いを伝えられたらいいなって思ってる。

このままうじうじしててもなんの進展もないし、あの噂が本当なのかどうかもわからないけど、俺は諦められないから。

たとえ桃先輩に彼氏がいても、俺が桃先輩の事を好きって気持ちには嘘は付けない。

星野先輩から桃先輩を奪う気なんてないけど、思いを伝えることくらいは許して欲しいんだ。

勝ち目はない勝負だけど、やらないよりはまし。

いや、絶対にこの夏、告白する!

俺は決めたぞ!

「兄ちゃん、何一人で意気込んでんの?」

無意識にガッツポーズを決めていたことに凛の冷静な声で気付かされる。

「別に!何でもない!」

またどうせ凛に言ってもバカにされるだけだもんな。

本当に俺と兄弟なのか疑いたくなるほど温度差が違うんだけど。

こんな奴でも、好きな女の子とかいんのかな。

「何見てんの?」

いや、こんな冷たい冷血人間にそんな人はいるわけ無いだろう。
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