放課後ラプソディー
「あ、メールだ。」

凛の冷たい視線から逃れるように今年の春買ってもらった携帯を開く。

メールの送り主はいとこの実結だった。

『今年はいつおばあちゃんちに行くの?』

そういえば毎年夏休みの後半にばあちゃん子の俺と実結は中学生になっても当たり前のように泊まりに行ってたっけ。

実結は電車で一時間くらいのさほど遠くないマンションに住んでいて、お盆と正月以外にもたまに会う仲だ。

同い年だし、何かと話が合うんだよな。

今年から俺の通う高校といい勝負の進学校に進んだ実結はきっと忙しいだろうし、高校生になったからきっともうないと思ってたけど、そういやあいつは帰宅部だった。

『コンクールの結果次第!』

俺はそれだけ打って返信。

俺にとって初めてのコンクールはまだよく制度をわかってないけど、とりあえずは運動部と同じように県予選、支部大会、そして全国大会があるらしい。

審査員がいるはじめてのステージ、これはかなり緊張するけど、桃先輩がいるなら、きっと大丈夫!

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