放課後ラプソディー
強化合宿での猛練習のおかげで、見事県予選を突破した私達は8月の支部大会に向けて、休むまもなく明日から練習が始まる。

全国大会が夢の夢だったのが少しだけ近づいていってたらいいな。

ドーンッ!

大きな音が耳に響いて、夜空がパッと明るくなった。

「始まった!こうちゃん!」

「おう、すげえな。」

色んな色の花火がキラキラしてて、とても綺麗。

次々と上がっていく花火に夢中になってると、こうちゃんの手が突然、私の手を包み込んだ。

びっくりしてこうちゃんを見上げると、本人はなに食わぬ顔でそのまま花火を見つめていた。

その顔は、なんだか花火を楽しんでるっていう感じではなくて、なにか考え事をしているような表情だった。

花火が終わっても繋がれたままの私達の手。

そりゃあ幼なじみだから、小さい頃何度も手をつなぐことはあったけど。

それでも今日はなんだかこうちゃんの様子がおかしい気がする。

「そういえば、こうちゃんの話って何?」
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