あたし、猫かぶってます。
「てか、なんで早瀬と居たの?」
駅前のアイス屋さんなう。早瀬と奏多とアイスを食べている。
「あー…まぁ、色々あって、」
早瀬と奏多が一緒とか、想像つかない。なんか相性悪そうだし。
「修羅場見られた。」
ばつの悪そうな顔で、そう言う早瀬。それを見てフッと笑う奏多。仲良いな、妬くぞこら。
「彼女に別れてって言って、思い切りビンタされててさぁ、可哀想だからアイス奢ってあげようとしていたんだ。」
「って訳で、別れたから。」
あまりにアッサリしている早瀬。これでいいの?ねぇ。
「彼女居るままじゃ結衣にアタック出来ないし。」
「早瀬くんはしなくていいよ。」
奏多と早瀬は仲良く話しながらアイスを食べる。なんか、本当に仲良くない?お互い同じ味のアイス頼んでるし。
「にしても…矢口。俺の結衣にベタベタ触りやがって。」
「早瀬くんの結衣じゃないけど、あれはムカついた。」
2人とも、そんな怒ること無いのに。確かに怖かったけど、女子にいじめられていた時の方が何倍も怖かった。あたし的には。
今回の事件で改めてあたしって怖いくらいにモテるんだなって学習したし、早瀬が家庭教師を雇っていることも知れたから、プラマイゼロかも。
「早瀬、奏多、ありがと。」
あたしが笑いながらそう言うと、2人は腕を組みながら後ろを向く。
「「笑顔は、ずるいだろ。」」
奏多達もあたしにキュンと来てたりして?なんてね。