あたし、猫かぶってます。


 あたし今、ちぃちゃんを好きって言ったよね?

 うっわ、なにそれ。あたしなに口走ってるの。ちぃちゃんと居ると多少ラクで、普通の女子より好きなだけだし!


 別にちぃちゃんがハブにされようとあたしには関係ないし。ちぃちゃん側でも無いし、Aと一緒にちぃちゃんを孤立させるつもりも無い。

 「あ、いや、相談はいつでも乗るから!」

 Aを軽くあしらって、とりあえず一人になりたいから屋上へ避難。天然と屋上って、なんか合わないなって思いながら扉に手をかける。

 「鍵閉まってるし。」

 用務員、普段仕事しないくせに戸締まりだけは意外としっかりしてるよね。


 仕方ないから、屋上前の階段に座り込む。

 サボリなんてらしくない。まあ、誰もあたしが居ない理由をサボリなんて思わないだろうけど。


 「なんかなぁー、」

 一瞬、ちぃちゃんを守りたいだなんて思った。そんなキャラじゃないし、女子なんて信用していないのに。


 悪口言われていてもちぃちゃんが好きって咄嗟に言ったけど、あれは紛れもなくあたしの本心だった。


 「信じちゃ、ダメだ。」


 女子の友情ほど脆いモノは無いんだから。


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