あたし、猫かぶってます。


 「ちぃちゃん!!」

 元気無いなーとは思ったけど、理由が分かった。いつも仲良く話している女子達は、ちぃちゃんを睨みながら安達歩美を混ぜてコソコソと何かを話している。


 あーあ。やっぱりこうなっちゃうか。

 ちぃちゃん、あたしに相談してきたりするのかな?上辺の友達しか居なかったからこういう時、なんて言えばいいか分かんないんだけどな。なんて考えながらちぃちゃんを見ると、


 「結衣、おはよーっ!」

 ちぃちゃんは、いつも通り笑っていた。

 正直、頼って来ると思っていたのに。あたしにチクってどうにかしてもらうなんて考え、ちぃちゃんには無かったらしい。


 いつもとちぃちゃんは変わらないのに、なんであたしはこんなに焦っているのだろう。

 「ちぃちゃん、元気無いけどなんかあった?」

 全て知っているのに聞くなんて、あたしは何がしたいんだろう。面倒なことを避けているくせに、なんで自分から聞いているんだろう。

 なんで頼ってくれないちぃちゃんに、もどかしさを感じているんだろう。


 「実はさー、先生に怒られちゃって!」

 そして、なんでちぃちゃんは、あたしに隠しているの?


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