あたし、猫かぶってます。


 ーーー昼休み


 「で、どうしたの?」

 屋上前の階段なう。なかなか言い出せないあたしに優しく問いかけるちぃちゃん。言わなきゃ、言わなきゃって思うほど、うまく言葉に出来ないチキンなあたし。


 「えっとね、ごめん。」

 騙して、ごめん。そう言う意味で謝ったら、ちぃちゃんは何事も無かったかのように、笑う。


 「歩美ちゃんのこと?気にしてないよ。」

 違う。違うんだよ、ちぃちゃん。確かにそれも謝らなきゃいけないことだけど、一番は、違う。


 「あたし、ちぃちゃんのこと騙してた。」


 「え?」

 キョトンとした顔のちぃちゃん、当たり前だよね。


 「あたし、本当は優しくないし、むしろ性格悪いし、天然とか言われてるけど、天然じゃないし。今までずっと自分の性格、作っていた。」

 もしかしたら、ちぃちゃんに嫌われるかもしれない。でも、ちぃちゃんにだけはちゃんと言わなきゃいけない気がする。


 「安達のことも、くだらないって思いながらも嫌われたくなくて、逆らえなくて、早瀬を頼った。ずるいよね、あたし。」

 ちぃちゃんの顔、怖くて見れない。


 「でも、ずるいけど、最低だけど、ちぃちゃんと友達になりたい。初めてそう思えた。小学校も中学校もまともに友達居なかったからなんて言っていいか分かんないけど…猫かぶってるあたしだけど、友達になってくれますか? 」

 ギュッと目を瞑る。ちぃちゃんは、なんて言う?




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