あたし、猫かぶってます。
ーーー放課後。
買い物も一通り終わって、ファーストフード店でお喋りなう。女子高生で言う“語り”は、なかなか楽しい。
「今日も朔くんかっこよかったな~」
頬をピンクに染めてウットリとした表情で早瀬の名前を呼ぶ知奈ちゃん。…かわいい。
「結衣みたいに朔くんといつか仲良くなれたらいいなー!」
いやいや。仲良く、じゃなくて恋人にならなきゃダメだよ!引いてばっかじゃダメだよ、知奈ちゃん!
「あたし、考えたんだけど、」
知奈ちゃんと早瀬は、キッカケが無いから仲良くなれていないだけで、一回遊んじゃえば仲良くなれるんじゃないのかな。
「奏多と、早瀬と知奈ちゃんとあたしで遊べば、もっとみんな仲良くなれるんじゃないかなぁ?」
あたしは奏多と、知奈ちゃんは早瀬と。
早瀬も悪い人じゃないし、知奈ちゃんを大切にしてくれそうだからーーうまくいって欲しい。
「楽しそう!」
目をキラキラさせる知奈ちゃん。
「あたし、明日早瀬に言ってみるね!」
知奈ちゃんのためにも、頑張らなきゃ!