あたし、猫かぶってます。


 「結衣って呼ぶね!あたしも棗でいいから!」

 いや、いきなり呼び捨ては、ハードル高い。


 「あ、ごめん。最初棗ちゃんって呼んでいい?」

 どんどん顔に熱が集まる。安達とか、平気で呼び捨てしてるのに、知奈ちゃんとか棗ちゃんとか、本当に仲良くなりたい人は呼び捨て出来ないなんて、情けない。


 「嫌いとかじゃなくて、友達少ないから…恥ずかしい。」


 「ブハッ」

 あたしがそういうのと同時に早瀬が吹き出す。軽く殺意芽生えるよね、こういうやつ。

 それと対称的に表情が曇る麻紘くん。いやいや、あたしが友達少ないのは、あたしの性格が悪いのが原因だよ。


 「朔、うるさい。」

 未だに笑っているの背中をベシリと叩いて、笑顔であたしの頭を撫でる棗ちゃん。にやけそう。


 「いつでもいいよ、待ってる。」

 やっぱり、いい子だな。棗ちゃん。やっぱり、棗ちゃんにもちゃんと言わなきゃ。


 「あのね、棗ちゃん。あたし本当はスッゴい性格悪いんだよね。」

 麻紘くん、知らないからびっくりするよね。


 「みんなにウケる可愛いキャラ作って、猫かぶっているんだよ。」


 それでも、友達になりたい?


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